俺と通信対戦
今、俺は通信対戦プレイが嫌いである。初めてKDD回線によるネットワーク対戦を経験したゲーム『MARVEL vs. CAPCOM2』はまぁ硬直もバカ長いゲームだし、テクニック云々と言うよりは勢いと戦略のゲームだったので(苦笑)、微妙なタイムラグも気にするレベルではなかった。後に発売された『POWER STONE2』では、KDDの専用通信回線に対する期待すら覚えたものだ。
しかし、である。その後に発売された『ストリートファイターIII 3rd. STRIKE』では、ブロッキングというタイミングがシビアなシステムにより通信対戦のタイムラグが深刻な問題として浮き彫りにされ、『ヴァンパイア・クロニクル』『CAPCOM vs. SNK』に至っては完全にヤル気すら失っていたというのが本音だ。そんな経験を何度もした俺である。「真面目にやる」対戦格闘ゲームで、通信対戦は絶対にしない…そう固く心に誓っていたのだ。
予め断っておくが、俺は決して通信対戦自体が嫌いな訳ではない。古くはMSX専用モデム『THE LINKS』でコナミの『ハイパーラリー』対戦を楽しんでいたり、友人宅でFM-TOWNS版の『ハビタット』や『WING WAR』をプレイした時には、ネットワーク対戦というものに対する憧れすら持っていた。後にSFC版のX-BANDで『スーパーストリートファイターII』を。サターン版のX-BANDで『バーチャファイター』を楽しんだりもしたし、PC版『ディアブロ』では、海外に友達すらできてしまう勢いだった。仕事でやったDreamcast版『セガラリー2』もまた、通信対戦に対するプラスイメージを増幅させてくれたソフトのひとつだ。
そして迎えた21世紀
今年の正月、俺は不本意ながら仕事でずーっと家に居た。年末〜年始の年越しはみかると一緒に過ごし、21世紀の幕開けという瞬間を共存したりもしたが、正月の殆どは家のPower Mac G4の前に座り、ずーっと原稿を書いていた。そんなとき、俺のストレス発散になっていたのはDreamcast版『燃えろ!ジャスティス学園』であり、練習のためにプレイしたり、HPに新情報を掲載したりすることで、どうにか俺は精神のバランスを保っていたのだ。
一応、20世紀の最後にプレイしたゲームも、21世紀の最初にプレイしたゲームも、AC『燃えろ!ジャスティス学園』だったが、家で悶々とトレーニングモードを利用して調べ事をしていると、時折不安に陥ることがある。「この戦法は強い筈…だけれども、実際に人に試したことはない」そんな漠然たる不安が俺を包む。悶々とするも、ゲーセンに行くような暇はない(対戦をフルに楽しみたいなら、秋葉原まで出てCLUB SEGAに行く必要があったため)。そして、俺は自らの封印を破り「えぇい、通信でもいいから、誰かと対戦したい! そして、この新戦法を投入したい!」そう思い立ち、初のネットワーク接続を試みたのである。
初心者専用ルームには、誰もいない。そこでチャットルームに行くと数人が会話を楽しんでいるので、徐に「対戦しよう」と申し込んでみた。するとOKの返事を貰ったので、「どうすれば対戦できるんだろう」なんて考えていた時のことである。誰かから挑戦状が送られて来た。今にしてみればOKの返事をくれた人と挑戦状をくれた相手が違っていたのだが、その時は結構ドキドキしていたので(笑)、その挑戦を受け入れることにした。
はじめての『J』通信対戦
相手の名前はゴートゥーヘル(カプコン・ネットワークIDは「GUGTL3」)。怖い名前だ。しかも80試合ほど試合を経験しており、勝率は6割くらいか。それに対し、0戦0勝0敗の俺は、ランキング最下位(苦笑)。きっと相手も苦笑いしていたに違いない。…いや、勝利を確信した笑みを浮かべていたのだろうか?
キャラクターセレクト画面に移行すると、相手がセレクトしたキャラはエディット、恭介、ロイ。勝つ気満々らしい(苦笑)。対する俺は夏、将馬、ロベルト…って、五輪そのまんまですな(ヤル気なさげ…って言うか初心者っぽさ全開)。で、試合開始。
するとまぁ、エディットキャラの攻撃力の高いこと高いこと。防御力もやたら高いらしく、夏のしゃがみ弱パンチ×2〜スライディングレシーブ〜ショートエアバースト〜空中投げを決めても、3分の1ほどしか減らない。そんなこんだで勝機すら見えないまま敗北し、次の対ロイ戦でも敗北を喫してしまった。ストレート負けである。しかも技は流の強足払いからヒット後に浮いたところに入れる打撃判定の投げ技や、エアバーストの後は当然の如くシャイニングセーブ。そりゃ、勝てませんって…。
しかし、俺にとっては初めての通信対戦。しゃがみ弱パンチ×2からスライディングレシーブへの繋ぎがシビアになっていることや、ショートエアバースト時に出す最初の弱パンチを早めにしないとガードされてしまうことなどを学んだ上で、再戦を受け入れた。
次の試合では強足払いをキチンとガードしたあとに根性カウンターで反撃することなども覚え、敗北は喫したもののエディットキャラとは接戦を繰り広げたばかりか、対ロイ戦では勝利を収め、相手に再びエディットキャラを出させることに。まぁ、結局負けちゃったんですけど…(苦笑)。
で、3試合目からはエディットキャラの対策も覚え、通信対戦にも慣れた俺は3連勝を収めた。この時点で3勝2敗。なんとなく満足した俺は再戦の申し入れを断り、再びチャットルームへと戻ることにした。いわゆる、勝ち逃げという奴だ(笑)。
だが、そこで事件が起こる。先ほど対戦をしていたゴートゥーヘルさんから、対戦の申し入れが。「どーもでしたー」とか無難な返答をしながらも挑戦状を断るこど3度。何度もしつこく「遊びは終だ!」と挑戦してくるので、断るのも面倒になった俺は「じゃあ、もう1回だけだよ…」そんな気持ちで挑戦を受け売れるのだった。
いざ対戦を始めると、今度は相手も待ちに徹したプレイを開始。通信対戦では夏のしゃがみ弱P×2からヒット確認をしている暇もなく先行入力でスライディングレシーブを入力しなければならないので、非常に苦戦を強いられていた。そして勝負は3本目へ…。
お互い、あと完全燃焼アタック1回でカタが付くというレベルにまで体力が減った試合終盤のことである。俺は博打を仕掛けた。ダッシュ〜スリープラトンという単純ながら咄嗟の時にはバレにくい連携を使ったのだ。すると相手はそれに引っ掛かり、俺のダッシュに反応してツープラトンを出していた。「俺に回せ!」スリープラトンの演出のため、将馬とロベルトの顔が画面にカットインしてくる。「勝った!」そう思った瞬間のことである。画面がフリーズしてしまったのだ…。
切れた通信回線
数秒間の空白の後に画面に出現した文字は「相手が回線を強制切断しましたので、チャットロビーに戻ります」。俺は、愕然とした。かつて『MARVEL vs. CAPCOM2』の出始めの頃にも問題になっていた「勝率を上げるため、負けると強制切断する輩」の噂は、何度か耳にしていた。だが、通信対戦での勝率が異常なほどに低かった(苦笑)俺はそんな経験をすることもなく、今日に至っていたのだ。ところが21世紀も明けたばかりという日に、それを目の当たりにしてしまったのである。
正直、俺はガッカリした。ゲームセンターで対戦をしていて、捨てプレイをされることは良くある。筐体を蹴られることだって珍しい訳じゃない。けれども、お互いに顔が見えない通信対戦だからこそ、潔いマナーで闘って欲しい…俺はそう願っていたのである。だが、結果はこの強制切断…。通信対戦を一杯していれば珍しい事ではないのかも知れないけど、数少ない対戦経験の俺だったからこそ、この衝撃は人一倍重いものに感じていた。
もう、通信対戦はやりたくないです…(2001年2月1日現在、未だ通信対戦やってませんもの…)。